長い間眠っていたはずだが、人工冬眠中は夢を見ないせいか、大和田にとってはアッという間だった。宇宙へ旅立つ大和田のために、友人たちが催してくれた壮行会が昨日のことのように思える。(それとも、発射直後に何かトラブルでも発生して、すぐに起こされたんじゃ…
オタク男子高校生・芦屋陽介が目を覚ますとそこは見たこともない世界だった。異世界に招かれた「選ばれし者」と勘違いした陽介は、偉そうな仙女から自分が死んだことを告げられる。そして、蘇らせる条件に金喰い(キョンシー)を倒して欲しいと、道士契約することになった。未完ですので、途中半端です。
色々難ありな玖珂さんのだらだらした(主に食事辺り)を綴る日常系ノベル。 ファンタジーも青春も恋愛もサスペンスもないけど、ご飯とゆるさはあるよ。
久しぶりに訪れた故郷で友人と話がはずみ、したたかに酔った松田が先方の家を出た時には、すっかり真っ暗になっていた。列車の駅まで車で送ろうと言い張る友人を、飲酒運転の共犯者になりたくないと断り、駅行きのバス停まで歩くことにした。昔の記憶では…
『おおのゆずるウィンターディナーショー』との看板が出ている、某ホテルの大宴会場の中。「おおの先生は、まだ起きて来ないのか!」 宴会担当支配人の島田は苛立った様子で、シフトリーダーの青山に訊いた。先ほどから何往復もしている青山は、すでに汗だく...
「じゃ、行ってくるよ」「あなた、ちょっと待って」「えっ、何だい?」「ねえ、今日の晩ごはん、何がいい?」「何でもいいよ」「もう!何でもいいは、ダメ!」「うーん、じゃあ、焼き肉かな」「何言ってんの!給料日前なのよ」「ええーっ、それじゃ、アジの開き...
長い道のりだったが、高田は明日の取締役会でいよいよ社長に選任されることになった。思えば、入社試験の面接で「将来の夢は社長になることです」と言って失笑されてから三十年、随分あくどいこともやってライバルたちを蹴落としてきたが、ようやくその夢が…