親子二代にわたるリニアモーターカー開発技術者の生涯を綴った小説の第一巻目(黎明期)。リニアモーターカーの開発の歴史は五十六年にわたるので六巻以上の小説になる予定。浮橋研正が昭和三十七年に入社し鉄道技術研究所に配属される。超電導磁気浮上式リニアモーターカーの開発に強い関心を持つものの国鉄全体の意志を統一するまでには至らず空気クッション方式などの実験やシミュレーションを行う。研究室内の住谷紀代江と懇意にない結婚し相模原市の貸家を借りて住む。愛犬タローの散歩のかこつけて二十四歳の生娘、聖子と肉体関係を結ぶ一方聖子の結婚相手の探索にいそしむ。その結果ペットショップの経営者との結婚が成就する。研正夫婦宅の北隣の未亡人、小池淳子さんの再婚に手助けをしてインターナショナル証券の社員、哲郎さんとの再婚に成功する。