清澄な貴方

貴方を愛していた。

どこまでも純粋で恐れを知らない貴方を。

葉擦れの音や空気の白さを愛する貴方を。

繊細で鮮やかな色の魂をもつ貴方を。

僕の名前を丁寧に優しく呼ぶ貴方を。

そっと僕に手紙を綴ってくれた貴方を。

そんな貴方も簡単に消えてしまうのだろう。

僕にはただ祈ることしか出来ない。

差し伸べる手も貴方には届かない。

でもきっと優しい青空や瞬く星々が貴方を守るよ。

寂しく思う日には風が暖かい空気を運んでくるよ。

柔らかい朝日が貴方の目覚めを歓迎してくれるよ。

罪を知らないものたちが貴方の心臓を洗う。

そして貴方の体には透き通った血が流れる。

全てを知ろうとしなくてもいい。

全てを理解出来なくてもいい。

貴方は愛すべきものを愛せばいい。

貴方の中を流れていく透明な血はきっと

空に

風に

花に

波に

空気に

音に

澄み輝く。

そして僕の心臓を清めるだろう。

清澄な貴方

清澄な貴方

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2017-07-24

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