悲しみの青い花
うん、まあ
人の見る夢は不思議なものだ。それはたいてい支離滅裂だったり内容が分からなかったりして、僕らをいつも惑わしまう。そうしてその内容は朝起きるとたいてい忘れてしまう。
人の一生も、ある意味では夢のようなものなのかもしれない。そこで人々は寝起きし、ある者は孤独に生活をし、ある者は苦しみ、またある者は汗を流して生活をし、あるものは結婚し一生を終えていく。そうしてまた新しい夢が一つ始まる・・・・・それが人間の生活だ。それは時代が変わっても時が経っても永遠に変わることは無い。
僕は昔から夜寝ると、いつも夢を見る。その夢は白黒だったりカラフルだったり、色々だ。でも人生のある時期、僕は、鮮明な夢を見ていた時がある。それはまだ僕が中学生だった時、僕がまだなんにも知らない子供だった頃のことだ。あの時のことが今、懐かしく思い出されてくる・・・・
ある日の夜、僕がまだ中学生だった頃の夜、僕は眠ると、きれいな花だらけの草原に居た。辺りには誰もいない。ただ一面に色々なきれいな花が咲いていて、僕を魅了するのだった。青い花もある。赤い花も黄色い花も白い花もある。そんなきれいな草原に僕は一人で寝転んでいた。空は現実と同じで青い。それは澄んだ青でどことなく哀しさを感じさせた。そのどこまでも広がる青い空を僕は一人で眺めていた・・・・
しかししばらくすると、遠くの方から誰かがやって来る。それは可愛らしい一人の西洋人の女の子だった。恰好は一昔前の西洋の物と言ったところか、きれいな水色のドレスを彼女は着ている。
やがて彼女は僕のところにやって来た。
「こんにちは」
悲しみの青い花