壁に絵を描いて自分を表現していく芸術家志望の孤独な若者と彼を思いやる大家さんとの胸が熱くなる交流の物語。 ええ、むろん嘘です。
ヘルバ草原の奥。次の旅先への準備のために,放牧の民のところで留まることになったマンガラ一行。民と同じ生活をするマンガラ,目的は分からないが,東奔西走するカタランタ。彼らをよそに,パガサは過ぎ行く時間に焦りを感じ始めていた。第二部「辺境の地」編完結。
「おフネがいるよ、黄色いおフネ。けむりを出して、浮かんでいるよ」 エイタは海を見つめたまま、右手を上に伸ばし、大きく横に振る。いつまでもいつまでも。 私には見えないその船に。