【短編小説集】 【フランス発禁小説へのオマージュ】 1 線路と死貌 ──エドガア・ポオ風の物語── 2 無垢と信頼 3 後ろ髪曳くように 4 美少年と殉教
【作品集】 1 老女アリスの約束 2 真紅のロリヰタとは闘いである 3 舞踏る少女と六つの薔薇 4 シモーヌ お赦しにならないで 5 病的に透明、儚げに尖鋭 6 シモーヌの肖像の四行詩 7 眼を瞑りなさい 8 アリスの脱獄 9 受難の人魚 10 悲しくなんかない 11 概念少女DANDISM
【短編小説集】 1 真夜中の英雄 2 吠えよ 3 詩人とおおかみ 4 アネモネ少女 5 一度きりの永遠 6 ロゼ 7 僕のジュリエット 8 気品
嗚呼、きっとその愛とは運命愛のことなのでしょう。どんな運命だろうとて、自分の人生を愛することが必要なのですね。そして、大切な人がその人生の中で現れようとも、その人は他者。僕ではない。僕は僕しか愛せない。そういう愛だったのでしょうか。そういう独りよがりな愛だからでしょうか。 僕の人生は、何故あの冬の日に終わらなかったのですか。続いてしまったのですか。あの冬の日の僕は真理を悟って、涅槃にも終末にも、永遠なる愛に満たされていたではありませんか。嗚呼、忘我の日、あの日に全て終わっていたんですよ。すべての生命の開始も、全ての命の終わりも、もう全てなのです。あの冬の日こそ、永遠神話。神のみぞ知る秘儀。