唐突に、なんの前触れもなく桜井達也は自ら命を絶った。大学のサークルが同じで、普段から仲のよかった五人の男女は困惑しながら、その死の真相に思いを巡らす。――あの日、「僕」になにがあったのか。
主人公・透也は、同じクラスの、ほとんど人と話そうとしない少女、鈴音のことが気になっている。親友の杏里も、密かに同じことを思っているようだ。しかし透也は、鈴音のことを素直に好きだとは思えない。蝶のように儚い感じのする鈴音を、なぜか憎いと思ってしまう自分がいる。 鈴音と関わりだしてから、仲の良かった透也と杏里の二人に少しずつ亀裂が生じ始めるが・・・。
自分の死亡時間を予告する母親。 何1つ個人情報を教えてくれない親友。 そしてアンケート記入結果が完璧に反映された、わたしにとって理想の恋人。 ーーわたしの世界は、彼らを愛すことで成り立っている。 今からそう遠くない近未来を舞台にした、ライトSF短編。
都心の大学に通う切太(きりた)は、元同級生が自殺したと聞いて仲間たちと故郷へ帰る。故郷の退屈な町には当分帰る予定もなかったが、その同級生は薄情な主人公でもよく憶えている自信家の秀才で、自殺をするような人間ではなかった。どうしても引っ掛かる切太はどうでもいいはずだった故郷の町を調べ始める。
高校二年の冬、悲劇が起きた。火崎朔と炭谷康平は高校一年の時に起きた、ある出来事を思い出す。 果たして今回の惨事は昨年のあの事件と関係あるのか? 対照的な「二人」が共に難解な事件に挑む ー その先に待っている真実とは? 友情、恋愛、葛藤、様々な感情が蠢く青春ミステリー!
ひとりの少女は今日も嘘をつく。 それはいつもの日常で彼女の生き方だった。 だけど今日はそれが非日常となった。 彼女ついた嘘は彼を巻き込んで大騒ぎとなる。 それはとてもとても短い物語。 嘘つきな彼女は、どうして山へ登ったのか?
暗い道を照らしてくれる電灯。あなたはいつも、その様な電灯は目に入りませんが、足元を明るく照らして貰っていますよね。でも不思議な物でその当たり前の電灯に心をとめた二人がいます。一人は電灯に愛着を感じます。もう一人は電灯に対して畏怖の気持ちを抱きます。さてあなたは、どちらの気持ちになるでしょうか?鉛筆で書かれた一つの言葉から物語は始まるのです…
この世の全てに絶望した少年に、奇妙な出来事が起こる。それは『奇跡』ではないかもしれない。 『救い』ではないかもしれない。 それでも、世の中の理不尽に向かって立ち上がり、 その少年は男になる。
国立有川高校の今年の修学旅行は、なんと月に建造中の宇宙ステーションだった。 ちょっとだけ未来の世界で繰り広げられる、高校生たちの冒険と青春。ライトミステリーの青春SF風味、みたいな感じです。
その世界は、ずっと夜だった。闇に覆われた世界。月と星と暗闇の世界。月の微笑みと、星のささやきと、夜の静けさだけが支配する世界。そんな世界のそんな闇の中で、少女が死んでしまった。突然の、理由もない死。その死の意味を知りたくて、少年二人は旅に出る。夜が明ける場所を探しに行く。