森日向は大学で知り合った猫田さやかとやっと告白し恋人になれた。 だが、さやかは両親を亡くしたショックで記憶喪失になってしまった。 日向の事も恋人であった事も忘れてしまった。 日向は懸命にさやかに尽くし友達として接していく。
僕は毎日、宿題を忘れてしまう。でも、それには理由がある。悲しみを抱えた父、イモ虫とカエル、それは蟻の行列のようにくねくねとして一列に繋がっている長い物語なのだ。
トランペットを演奏することと、指揮をすることに熱中している夏野甘奈という大学生。ちょっと口は悪いけれど、おおらかで明るい性格の彼女は周りからの信頼も篤い。母校の中学校の吹奏楽部の指揮者を任されて三年目の夏、ひょんなことから訪れた楽譜倉庫で、一枚の古い楽譜に出会うが、その楽譜には誰も知らない「呪い」が封じ込められていた……。
東京で暮らし始めた新社会人の男性は、毎朝憂鬱な気持ちで出勤している。梅雨どきの地下鉄でオフィスの最寄りの駅までたどり着くと、彼は奇妙な人物を一瞬目撃する。
だって一ノ瀬さん僕と違ってイケメンだし。背は高いし、お客さんの受けもいいし、僕の届かない範囲のものまで楽々手が届くし、僕の見えない店の奥まで見渡せるから、一ノ瀬さんがいると万引きの被害もないし、それに、西日が差し込む時には日よけにもなるし、それに、それに……