ミューシャと空のキャンバス 〜魔法の筆と不思議の世界〜
【まえがきは必ずお読みください】
【11/25更新(まえがき)】【未完】【更新停止中】
ファンタジーです
あらすじ: 小さな田舎街に住むお絵かきが得意な少女、ミューシャ。その街で今まで通り、普通に暮らしていましたが、ある時魔法の筆を拾ったことをさかいに日常が一変していきます。友達のレイナ、オズワルドとともに、魔法の筆を巡る冒険を繰り広げます
【作品投稿について詳しいことは、作者プロフィールページをお読みください】
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[起床っ!]
「ああ……やばい……。今日も遅れるよぉ〜……」
バタン!と勢いよく扉を開けて、家から飛び出した私。
「いってきまーす!」
茶色い手提げカバンを翻し、学校へ一直線に走り出そうとした、その時。
「ミューシャ! お弁当忘れてるわよ!」
お母さんが扉を開けて、そう叫んだ。
「ああ、そうだった!」
私は、走り出そうとしていた身体を引き戻し、すぐさま家にいるお母さんのほうへ向かう。
「もう、しっかりしてね。今日から新学期、始まるんでしょう?」
「うーん……でも私の遅刻ぐせは治らないかも」
「いつもお母さんが起こしてるのにな……どうしてこんなに朝に弱いのかしら」
「まあそれも個性……ご愛嬌ってことで。って、おしゃべりしてると遅れる! 今度こそっ! いってきまーす!」
「いってらっしゃい。気をつけていくのよ!」
そして私は駆け出していった。
* * *
大陸の南、深い森に覆われたイーダ地方。
そのイーダ地方の、木々を伐採して開かれた広地に、一つの小さな街がありました。
コロンドの街——木材とチーズが特産品で、主に林業とチーズ産業で栄えた小さな街です。
その小さな街に、一人の少女が住んでいました。
お母さんのチーズシチューが好きで、お絵かきが得意なその少女の名前は、ミューシャ。昨年で十七歳になった、可愛らしい女の子です。将来は画家になって、有名になることを夢見ています。
そんなミューシャが、ある時拾った一本の筆——それが彼女の運命を、大きく変えることになります。
ですが、それはまだ先の話……それよりも今は……。
学校!
* * *
「やばい、やばい……本格的に遅れるよっ!」
私は走りに走る。街の外周部の居住区を抜け、中央区一歩手前の商業区に入ったところだった。
今日は平日なので人混みはそうでもないが、ぶつかりそうになるところをなんとか避けていく。
「お、ミューシャちゃん! なんだ、今日も遅刻かい?」
学校につながる通りにある魚屋の前を通った時に、誰かから声を掛けられた。
「あ、アールさん! おはようございます。私の遅刻ぐせは、新学期に入っても治らないみたいです……」
魚屋のアールさんだ。いつも、ここを通る時に声を掛けてくる。
「昨日の売れ行きは、どうでしたか?」
「まあまあだな。サバの塩漬けが一番売れたかな」
「あー、サバの塩漬け! 焼いたの私も好きです」
私は小走りをその場で維持しながら、うんうんと頷く。
「ミューシャちゃんが遅れるのはいつものことだけれど、なんだか今日は、レイナちゃんも見かけたなぁ。珍しく、遅刻したのかなぁ」
「え、レイナが?」
レイナが私と同時間帯に登校するなんて、驚きだった。あの優等生で、几帳面なレイナが?
「さっきここを歩いて通っていったよ。もう少し先に行けばいるんじゃないか?」
「教えてくれてありがとうございます。それでは、私は学校に行ってきます! 今日の晩御飯買いに来るので、また!」
「ああ、またな」
私は魚屋さんに別れを告げ、学校へ走った。
作品情報(最下部)
ミューシャと空のキャンバス 〜魔法の筆と不思議の世界〜
【11/25更新(まえがき)】【未完】【更新停止中】
ファンタジーです
あらすじ: 小さな田舎街に住むお絵かきが得意な少女、ミューシャ。その街で今まで通り、普通に暮らしていましたが、ある時魔法の筆を拾ったことをさかいに日常が一変していきます。友達のレイナ、オズワルドとともに、魔法の筆を巡る冒険を繰り広げます
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