嵐の迎えにより、石見から堺の町へと戻って来た若雪。しばしの休息ののち、河内国富田林の寺内町に、為替を懐に負債を取り立てに出向いた彼女が遭遇した出来事とはーーーー。 頬を濡らしたのは 黒い雫 覚えがないと 目をそらしていた 私だけ この章のタイトル「疑惑」は、黒のイメージがあります。どこか不吉で、謎めいて艶があり、惹かれずにはいられない色でもあります。
ある日、私立探偵 尾田三郎のもとに、谷町五朗警部から持ち込まれた殺人事件。とある編集部の部長が、ナイフで刺殺されたのだ。しかし、その部屋は犯行当時、完全な密室だったのだ。
パチンコ店の社長が殺されその日の売上金が盗まれた。殺人犯二宮勝成は闘争中事故死する。翌朝早く、付近は大パニック。大金が風に舞い、群集が興奮して拾い集めている。篠崎肇はTV中継されるパニックを面白そうに見ていた。昨夜遅く会社からの帰りの山道で道路上にアタッシュケースが落ちているのを発見。ケースの中には三千万円近い現金が……。肇は咄嗟に思いつきその中から300万円ほどを周囲に誰もいないのを確かめて、崖の上からばら撒いた。TVのキャスターはパチンコ店から盗まれた金が交通事故で空中に飛散したものとつたえている。篠塚肇はこれで残りの金はすべて自分のものになったと確信する。しかし肇の行動は目撃されていた…… 人間皆邪な存在だ。性善説など絵空事でしかない。しかしほんとうにそうなのだろうか…ふと浮かんだこの疑問を問題提起してみました……