暴力と嘲りと慾望と激しい愛。 そんな要素を詰めに詰め込んで創り上げた時代劇×フィルム・ノワールな黒モク小説。 ※ 本作品は『ブラックスター -Theater Starless-』の二次創作物になります。 ※腐向け要素,独自設定あり。
心の中にイエス・キリストを住まわせている高校三年生の「はるか」。たった八人しか部員がいない小さな吹奏楽部で部長をしている。はるかはクラリネットという楽器を演奏している。まっすぐで、しなやかで、とても美しいこの楽器を愛しているはるかは、ある日、後輩からCDを借りて、その中に収録されている曲に魅了されるのだが……。
これは私が友人より聞いた話である。2012年7月の暑い日…男の元に一通のメールが届いた。メールには複数枚の写真ととあるファイルが添付されており…こう記されていた。 「閲覧注意」ただひと言そう記されたその文字がやけに印象的だったと彼は呟く。男はその文面を見ながら思い出していた。そう…あの事件が起きたあの日もこんなふうに蝉が煩く鳴いていた初夏の夕暮れだった。
里に住む十四歳の少女イズリは、ある初夏の宵に幼なじみのポトと散歩をしていた。ある時、ポトは森が自分を呼ぶ声を聞きき、川を渡って里の外に出てしまう。それを追いかけたイズリも一緒に森の中に入り、迷い込んでしまう。