失われた記憶を求めて

生きていくには金がかかるし
人に会うにも金がかかる

記憶を換金できるとしたら
俺は大した額にならないだろう
毎日のように何かを
忘れているから

俺は悲しいよ
二束三文にしかならない記憶を
後生抱えていることじゃなくて
空っぽになってしまった自分が

俺は何を求めていたんだろう
何を探し回っていたんだろう
破滅の予兆に気づかないふりは
もうやめだ

失われた記憶を求めて

失われた記憶を求めて

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-12-19

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