日本銀行に関する暫定憲法


・日本銀行はその名称実体と共に我が国の唯一の中央銀行として景勝本務院と協同して銀行券を発行し、通貨及び金融の調節その他政策を行い、信用制度を維持監督し、国庫金を取扱い、その他本法及び他の法令の定める諸務を行う
2日本銀行の決定措置等及びそれらの経過詳細は法令の定める所に基いて公正に公開され充分な解説が行われなければならない
3日本銀行は法人とする
4日本銀行は本店を東京都に置く
5日本銀行は本務院令の定める所により経済本部大臣の認可を受けて支店等を設置移転廃止すること及び経済本部大臣が指定した者に業務の一部を代理させることができる


・日本銀行の資本金は一億円とし、その内の五千万円は国費より出資する 日本銀行はこの出資に対し本務院令の定める所に基く出資證券を発行する
2出資者は本務院令の定める所によりその持分を譲渡し又は質権の目的とすることができる
3外国人及び外国法人又は他の法令の定める所により日本銀行の出資者となることが禁じられて居る者は日本銀行の出資者となることができない


・日本銀行は定款を以て左の事項を定める
一 目的
二 名称
三 本店及び支店等の全所在地
四 資本金額及び出資及び資産に関すること
五 役職員に関すること
六 業務及びその執行に関すること
七 銀行券の発行に関すること
八 会計に関すること
九 公示公報等に関すること
2定款の変更は経済本部大臣の認可を受けなければその効力を生じない


・日本銀行は本務院令の定める所により登記をしなければならず、その登記すべき事項は登記後でなければ之を以て第三者に対抗することはできない

・日本銀行は他に法律を以て課せられて居る税を除き、課税されない


・日本銀行に役員として、行督三人、理行司五人以上、監事三人以上、参与十人、市場外監二人を置き、行督の内一人を総裁とする
2総裁は日本銀行及び他の行督を代表し定款の定める所によりその業務を総理する
3総裁を除く他の行督は定款の定める所により総裁を輔佐して日本銀行の業務を掌理し必要な限り総裁の職務を代理代行する
4理行司は定款の定める所により総裁及び他の行督を輔佐し日本銀行の業務を掌理し必要な限り行督の職務を代理代行する
5監事は日本銀行の業務を監査する
6参与は日本銀行の業務について総裁の諮問に応じ又は総裁に対し必要な意見助言を行うことができる
7市場外監は通貨及び金融に関する日本銀行の業務について総裁に対し必要な質疑及び修正改善要求を行うことができる


・行督は経済本部大臣が行い決定し景勝本会議による可決を得た指名人事に当然に基いて天皇が之を任免し、その内からの総裁の任免についても同様とする
2理行司は総裁が推薦した者の中より経済本部大臣が之を任命する また経済本部大臣は何時も理行司を解任しその後任の理行司を任命することができる
3監事は内二人は経済本部大臣が指名した市場裁判長が、内一人は市場警察長官がそれぞれ任免する
4参与は内六人は経済本部大臣が、内四人は市場警察長官がそれぞれ経済産業金融等各界の有識者より之を任命する また経済本部大臣及び市場警察長官は何時もそれぞれ自身もしくはその各前任者が任命した参与を解任しその後任の参与を任命することができる
5市場外監は市場警察長官が之を任免する
6行督及び理行司の任期は五年、監事及び参与の任期は二年とし、各任期途中の交代があったときはその後任者の任期は前任者の任期と同じくする また行督の総裁としての任期及び市場外監の任期は何れも之を定めない


・日本銀行の役員はその在任中、政治活動と看做される行為を行ってはならず、また他の職業に就いてはならない

・日本銀行の職員は総裁が之を任免する
2日本銀行の職員の詳細は本務院令を以て之を定める

・日本銀行の役職員は官公職者とする


・総裁は日本銀行の業務に関し一切の裁判上又は裁判外の行為を為す権限を有する代理人を選任することができる


・総理又は詮議大任又は経済本部大臣は何時も総裁に対し日本銀行の公正適切な運営のために必要であると判断した質問又は提案助言又は監査を行うことができる
2総裁は前項に基く質問に速やかに応じ直ちに之に可能な限りの返答を行わなければならない
3本条第一項に基く監査は総理又は詮議大任又は経済本部大臣が自ら命じ日本銀行の理行司及び監事に之を行わせることができる


・市場警察長官は日本銀行又はその役職員の行為等に対し日本銀行の公正適切な運営のために必要であるとして市場裁判所より認許可を受け且つ総裁による同意を得たときはそれらの認許可及び同意を得た対象事案に関しての必要な監査を日本銀行の監事及び市場外監に対し命じ行わせることができる
2前項に基く監査の実施実態及び経過結果の各内容については常時その最新情報が市場警察長官と総理及び詮議大任及び経済本部大臣及び日本銀行の各役員との間に充分に共有されて居なければならず、また市場警察長官及びその命によって当該監査を行う者は総理又は詮議大任又は経済本部大臣又は日本銀行の各役員より当該監査について質問を受けたときは速やかに応じ直ちに之に可能な限りの返答を行わなければならない


・日本銀行は日本銀行券を発行する
2前項により日本銀行券は我が国の公定貨幣として無制限に通用する
3日本銀行券の種類様式等は経済本部大臣が之を定め公示する

・日本銀行は汚損傷その他の事由により通用し得ない日本銀行券があるときは本務院令が定める所に基いて手数料を徴収せずして之を引き換えなければならない

・日本銀行は日本銀行券の製造銷却の手続を定め及び必要な改定を行い、経済本部大臣の認可を受けなければならない


・日本銀行は本務院令の定める所により毎事業年度の経費豫算を作成し各事業年度開始迄に之を経済本部大臣に提出してその認可を受けなければならない また経費豫算を変更せんとするときも同じとする
2経済本部大臣は前項に基く経費豫算について、その自らが当該認可を行う前後の何れかを問わず、市場裁判所による認許を得て各当該年度経費豫算に対する修正命令を発し従わせることができる
3日本銀行の事業年度は毎年四月一日から翌年三月三十一日迄とする


・経済本部大臣は総裁による報告等に基いて毎事業年度終了後二月以内に当該事業年度の決算を市場警察長官に提示報告しなければならない

・日本銀行は各事業年度に於て生じた剰餘金の二十分の一に相当する金額を準備金として積み立てなければならない 但し日本銀行は経済本部大臣の認可を受けた範囲内に於て当該事業年度の剰餘金を前述の規定額を超えて更に積み立てることができる
2日本銀行は各事業年度の剰餘金額より準備金額を差し引いた残額を当該各事業年度終了後二月以内に国庫に納付しなければならない
3前項の規定による納付金額は各関連法令に於ける所得利益金額の計算上、之を損金額に算入する



・本法に定めるものの外本法を補足する詳細は他の法律及び本務院令を以て之を定める

日本銀行に関する暫定憲法

日本銀行に関する暫定憲法

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-12-19

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