人の心を蝕み、殺人衝動をもたらす〈游泳する悪意〉――通称キラー。 キラーに憑かれた者を捕縛する機関〈天神〉に所属する少女・雪花は、他者の精神に干渉し、意識を刈り取る異能を有していた。 それは、人を傷つけずキラーのみを討ち滅ぼすことができる力。 雪花は昔、暴走した力によって友達の意識を消し去ってしまった。そんな彼女を保護したのは、ある秘密を持った女性・黎。 黎の目的は……。 白い冬に囚われた少女は、春光に恋をした。 黒い夜に呪われた彼女は、暁光を愛し―― 昏い冬に鎖された彼女達が、春光へと向かう物語。
「ふふッ…当たりましたね…」 僕はこんな時に限って、自動販売機の「アタリが出ればもう一本!」、という仕掛けに、仕掛けられる。
家族で戦ってきた少年野球の記録。その舞台はグランドとはとても呼べない小石だらけの水はけの悪い広場… 自分の野球観とあまりに違うチームの空気。しかし、コーチとは子供たちを「活躍」に連れて行くのが役割だと気付く。 2×対0と打ちのめされても仲間たちと手を取り合い、自分から進んで努力した。 そして野球の神様はご褒美をくれる。最後の公式戦でチーム初めてとなるコールド勝ち… 中学に入ってきたのは県大会の決勝で対戦したエースと4番、さらに県レベルのチームのバッテリーや主将達… これまで浸ったことのない大きな声の中、新たな野球が始まる。