初作の『友だちを殺した』と共に、作者の出生の本懐といえるものです。 世間を震撼させた「多摩川・中学生虐殺事件」に衝撃を受け、日本社会に警鐘を鳴らしたくて書きました。 時間のないかたは、後半~末尾にかけての主人公の「独白」をごらんください。 社会のあり方、人間の人間たる倫理正義・矜持襟度・慈悲情愛の大切さを、死をもって訴える場面です。 問題提起の性格上、過激・苛烈な表現があります。 2015年。作順では5番目。
【第133回フリーワンライ】 使用お題:灯火親しむべし ジャンル:オリジナル 備考:Twitterで開催しているフリーワンライに参加した際の作品です。少し哀しいような切ないような、そんなお話。宜しければどうぞ。 超備考:新作書いたらTwitterで告知してます。宜しければ。http://twitter.com/drawingwriting
【第131回フリーワンライ】 使用お題:故意に鯉 ジャンル:オリジナル 備考:Twitterで開催しているフリーワンライに参加した際の作品です。とんでもなくしょうもない話です。ちょっとでも癒される人が居てくれれば、こんなに嬉しいことはありません。さくっと読めますので宜しければどうぞ。 超備考:新作書いたらTwitterで告知してます。宜しければ。http://twitter.com/drawingwriting どうでもいい補足:人が悪い=人でなし=人で無い=人外=
こちらは「鶴の恩返し」をモチーフにした作品ですが、「恩返し」ではなく人間の浅はかな心や欲望を問うてみたい思いでストーリーを考えてみました。多分世の中には似たり寄ったりの作品があろうかと思いますが、自身のオリジナル作品として投稿しております。
おれとヤツは古い友達だ。おれは能力は人並みたが、絵だけは才能を持っていた。一方、ヤツは大金持ちで勉強や運動もでき、容姿端麗で絵も上手かった。大人の言う『完璧な人なんていない。ほんとうに恵まれた人なんかいない。みんな欠点や悩みを抱えてる。それが人間。それが人生』は嘘だ、おれはそう思ってた。おれたちは同じ都立高に進み美術部に所属した。やがて、ヤツに彼女ができた。おれとヤツは美術展に出品するため絵を競ったが、このとき得意分野の絵でもヤツに負けた。おれが誇りを失った矢先、ヤツの彼女に本当はおれが好きだったと告られた。おれは毒づき、走り去った彼女は事故で亡くなった。狂気と憎悪はヤツに向けられ、おれは葛藤の末、ヤツを刺し殺した。現場に来た顧問の先生から時間をもらい、初めて颯の孤独と『完璧な人間などいない』ことを悟った。同時になぜ殺人が人類最悪の罪かという厳粛な3つの理3つの理由に思い当たった。
広大な森に囲まれた国、グラディア。 モース家は、神の血を継ぐ王族として、数百年にわたり国の頂点に君臨していた。 38代目の国王が誕生して間もなく、「満月の巫女」と呼ばれる一人の女が王室に迎えられる。 ”北に迎いて金眼の巫女が祈るとき、神はその身に宿るであろう” 古文書に記述された伝説を信じる現王は、ツキヨミと呼ばれる預言者の言葉に従い、北に広がる広大な森を切り開き神殿を建てようと計画する。 しかしそこは歴代の国王すら足を踏み入れなかった場所、呪われた異教徒の亡霊が眠ると恐れられる『忍ばせの森』だった。 力を渇望する国王と、その影響力を利用しようともくろむ教団幹部、そして王族の血筋を追う謎の集団。森の中で、それぞれの私欲が絡み始める。
それは、単なる暇つぶしのはずだった。だが、クロスワードパズルに秘められた可能性は、彼女の世界を激震させかねない巨大なものだった。療養中の男は、たいていの暇つぶしに厭き、クロスワードパズルに到達した。彼の容態を見舞う彼女に語られたその研究成果は、その可能性の中心を射抜き、たちまち彼女を虜にした。彼女に示したクロスワードパズルの本当の力。そして彼女は、彼がクロスワードパズルについて語り続ける真意を知ることになる。