主人公・みのりはこの春に就職したばかり。同時に始めた一人暮らしに、寂しさを感じ始めていた。そんな時、部屋に黒猫が突然現れた。猫らしくない黒猫の様子に首をひねるみのりだったが、飼うことにする。ひとりと一匹の共同生活が始まると、黒猫は「自分は人間だ。」と言い出した。《全14話》 乙女ゲーム風です。ある程度時代考証はがんばってみましたが、なにぶん素人ですのでご容赦ください。
(以前ショートショートとして掲載したものを、全面的に改稿したものです)その日、学校の課外授業で、ピピは生まれて初めて陸族館というものを見た。青い海の底に大きな気泡のようなものがいくつも連なっており、海面から差し込む光で真珠のように輝いていた。さらに、それらが潮流に流されないよう、全体を包み込むように巨大な......