立花はいつもの喫茶店に入り、いつもの窓際の席に座ろうとしたが、空いていない。珍しいことだ。
風の強い日だった。
「一段落すると行く場所があるでしょ」
「暖かくなってきましたなあ」
妖怪博士は心霊写真家と一緒になる機会を得た。
訪問好きの木下は、最近お気に入りの文学青年宅に通うようになった。
「ちょいとお聞きしたいことがありましてなあ」
「彦さんついて聞きたいのですが」
田中はショッピングビルの非常階段を上がっている。
「私の時代は終わったなあ」