「走るんだなあ、これが。そして夜に限る」
西田は喫茶店で一人座っている。仲間がもうそろそろ来る頃を少し過ぎた。
「人間は利己主義な生き物なのですね」
「昔の長屋なんですがなあ、まだ残っていましてねえ」
「暑いですなあ」
「たまには外に出た方がいいですよ。世の中まだ営業していますからな」
薄暗い洞窟の中で格闘していた。
富田は朝から街歩きをしている。
特に力はないのだが、その場でのヌシ、ボスになっている男がいる。
田村は調子が悪いときは早く起きてしまう。