ひっきりなしに車が通る幹線道路。当然ガードレールで歩道とは分けられている。
その寺の境内は周囲に比べ自然が豊かだ。古くからある寺だが、今はその時代の伽藍は何も残っていない。
「自分の頭で思い、考え、そして物語を作っていく。分かりますね。君が作っている物語は誰かの真似なんだ。誰かの頭を借りているだけで、君自身の発想ではない。誰かの目ではなく、君の目で見ないとね」
日常の中でふっと差し込む間(ま)。間は何処にでもあるのだが、それは日常の中ではいつもの間合いだ。
神社の鳥居前に川があり、石橋がある。その欄干に老人が腰掛け、煙草を吸っている。
箸の流れが変わるように道の流れも変わる。
長く続いた妖しげな店も、更地になると、何もかもなくなる。
木陰の休憩所として、何人かが立ち寄る場所がある。
「最近、何が面白いですか?」