川崎ゆきお

指寒暖計

毎朝二時間ほど散歩をしている老人が語る。

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心の襞

「心の襞一枚一枚に染み込むような感じ方がいいですなあ。そういう味わい方ですよ」

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羊羹先生

「ああ、知り合いのグラフィックデザイナーから聞いた話なんだが、羊羹の好きな画家なんだ」

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老魚と老猫

「今日は暖かいですなあ」

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町とサツマイモ

ビルの屋上で二人の勤め人が昼を食べている。

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町の秘境

「秘境って町の中にあるんでしょうねえ」

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なりすまし散歩

「さて、今日はどんな風景を見ようか」

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明太子

「明太子がないようだが」

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下宿屋の文学青年

知人訪問好きマニアの木下は、文学青年の青木を訪ねた。文学青年も死語だが、それにふさわしく下宿屋という死語の世界に住んでいた。

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懸賞小説の落とし穴

訪問好きの木下は、最近頻繁に文学青年の下宿を訪ねている。

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