「基本的には何もしないようにしていますが、ついつい何かしてしまいますねえ」
これは自宅にずっと居る人の話だ。自宅警備員と呼ばれている。
岡倉は最近身近なものが気になりだした。働き盛りの脂の乗った頃をかなり過ぎたあたりだ。
「こういうことを毎日毎日やっておられるのですか」
特に怪異があるわけではない。幽霊も出ないし、おかしなことが起こるわけでもない。だが、不気味な感じを受けることがある。
「ダイナミックな動きが欲しいねえ」
「毎年毎年、ある季節になると同じことを言ってますなあ」
谷口は日常のスケジュールを持っている。この日常とはプライベートなもので、仕事のスケジュールではない。
立花は自宅で仕事をしている。そのため籠もりがちになるため、昼食後は必ず自転車で散歩に出る。
小林は鞄の中にカメラを入れようとした。出かけるとき、必ずカメラを持ち歩いている。