あらすじ:母がさらわれて来た時にはすでにお腹にいたので、珊瑚が出海浪親の実子ではないというのは、皆の知るところでした。珊瑚の実父が誰かと言うことは、それまで上噛島城で大きな話題になったことはありませんでしたが、彼と同じ色の瞳を持つ喜林義郎という男の出現により、急に取りざたされるようになったのです。噂は、もちろん浪親の耳にも入ります。
人の世にすまう人ならざるもの、狼男とヴァンパイア。長い時を生きるヴァンパイアと、人と変わらぬ時を生きる狼男。種族の本能と、人間の欲望を描いた物語。 ※ほんのりBL要素と思われる描写があります。苦手な方ご注意願います。