広大な森に囲まれた国、グラディア。 モース家は、神の血を継ぐ王族として、数百年にわたり国の頂点に君臨していた。 38代目の国王が誕生して間もなく、「満月の巫女」と呼ばれる一人の女が王室に迎えられる。 ”北に迎いて金眼の巫女が祈るとき、神はその身に宿るであろう” 古文書に記述された伝説を信じる現王は、ツキヨミと呼ばれる預言者の言葉に従い、北に広がる広大な森を切り開き神殿を建てようと計画する。 しかしそこは歴代の国王すら足を踏み入れなかった場所、呪われた異教徒の亡霊が眠ると恐れられる『忍ばせの森』だった。 力を渇望する国王と、その影響力を利用しようともくろむ教団幹部、そして王族の血筋を追う謎の集団。森の中で、それぞれの私欲が絡み始める。