川崎ゆきお

冷蔵庫の前に立つ

長く生きてきた老人が物忘れしやすいのは、回線が重くなったからだけではなく、色々とデータ数が多いためかもしれない。

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ある論法

「寒いねえ」 「冬ですから」

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地獄の辻

「何を見ておられるのですかな」

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映画館のあった場所

市街地の駅前近くにモータープールがある。老人はそれを見ている。その時間が長い。立ち止まったまましばらく経過している。

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めでたし

山間を走る街道。そこに枝道がある。武者は足を踏み入れる。近道なのだ。

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消えた紳士服売り場

畑中は毎日通っているスーパーがある。総合スーパー、百貨店のようなものだろうか。五階建てだ。

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空気読みの達人

桑原は空気が読めすぎて困っている。出来ればその悪癖を直したい。

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オバケ屋敷の会社

島田はやっと就職した。就活を続け一年後だ。このあたりが限界だろう。

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長距離歩行者

川のその土手は車が入れないので、歩きやすい。

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遣らずの雨

「世の中には天啓や啓示のようなものがあるようだ」

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