長く生きてきた老人が物忘れしやすいのは、回線が重くなったからだけではなく、色々とデータ数が多いためかもしれない。
「寒いねえ」 「冬ですから」
「何を見ておられるのですかな」
市街地の駅前近くにモータープールがある。老人はそれを見ている。その時間が長い。立ち止まったまましばらく経過している。
山間を走る街道。そこに枝道がある。武者は足を踏み入れる。近道なのだ。
畑中は毎日通っているスーパーがある。総合スーパー、百貨店のようなものだろうか。五階建てだ。
桑原は空気が読めすぎて困っている。出来ればその悪癖を直したい。
島田はやっと就職した。就活を続け一年後だ。このあたりが限界だろう。
川のその土手は車が入れないので、歩きやすい。
「世の中には天啓や啓示のようなものがあるようだ」