木下は元気のない友人の蛭田を訪ねた。最近電話をしても、すぐに切るし、呼び出しても出て来ない。
吉田が喫茶店のカウンター席で電子書籍専用機で本を読んでいると青年が話しかけてきた。
「雪女って色々と意味があったのですねえ」
下田は暇が出来たので、散歩に出た。散歩という行為を意識的にしている。
木下は友人の大宇陀が引っ越したので、そこを訪ねてみた。
オマジナイ、つまり呪文を唱えて何かをする婆さんがいる。あるときには占い婆さんにもなる。
「毎日続けないと駄目だねえ」
「最近、都心部へ出ましたか」 「もう何か月も出てませんなあ」
「いい季節は短いねえ」
「そろそろ冬籠もりだねえ」