竹林の七賢人は竹林に住んでいる。竹林とは地名ではなく、竹藪のある場所だ。
白木は冬になったので、開け放していたドアや襖やガラス戸など、各部屋を閉めた。
地方の小さな町で生まれ育った下田は村が嫌いだった。
路地の垣根越しに銀杏の木があり、ある日突然黄色くなり、その後、路地の地面を黄色く染めている。
季節は一夜で冬になり、急に寒い日が続いた。これは新しい政権が生まれ、政権交代が起きたような感じだ。
「風邪ですか」 「ああ、寝込むほどのことではないが、寝ておった」
「見聞を拡げるのはいいが、それが役立つとは限らない」
「最近、朝焼けを見ますか」
平田は宵の口に、もう寝る。夜が深まるとバケモノが出るためらしい。
「人が怖い。特に顔が怖い」