――其々の、少しずつ届かない、片思いのお話。 この胸の中の優しい痛みが、いつか君に伝わりますように。 各話ごとに視点の変わる一人称小説です。 「有賀春基」「篠原瑞季」の二人を中心に、家族や友人、職場の人々等、他人との関わりを通して、過去や現在未来について思いを巡らせます。
ある夏の、祖母と「私」のお話。
志乃君から釣りを教わる「私」のお話。
高校二年生の「俺」達の選んだ、嘘のお話。
冬の夜空を見上げる「僕」たちのお話。
車内で交わされる、湿り気を帯びた二人の会話。
ある世界の、「私」と友人である少年のお話。
「俺」と後輩町田の青臭い話。
「あたし」とようすけの、ある昼下がりのお話。
「あ」が紡ぎ出す物語。