宜しくお願いいたします。
遅筆ですが、一作づつ完結させていきたいです。
高校一年生の里永比奈子はおじいちゃんっ子だ。早くに連れ合いを亡くし、穏やかな隠居暮らしをしている祖父、勇吉の家には、いつも勇吉の悪友である大工の佐々木一郎と大学教授の佐伯周が入り浸っていた。三人は幼いころからの付き合いで、それぞれの事情により、皆、独身だった。大工の一郎が怪我をしたことがきっかけに各々の現在の生活に不満と不安を覚えた三老人は、老人限定婚活サークル「プラチナシルバーライフ」に入会し、婚活を始める。「人として生まれ、男として人生を過ごし、今や残された時間も少ない我々から、人生の終の楽しみを奪う権利を、一体誰が有しているというのか。諸君、我々は今こそ行動するべきなのだ。行動するジジィになるべきなのだ!」比奈子はこの婚活に巻き込まれ、一人の少年と出会う。
京都の大学生、田中光顕は、ある夜、南大門も屋根の上に、狛犬を連れた平安装束の少年に出会う。