音時空に浮かぶ無数の音楽の国々の覇者「交響曲」の少女ヒタキは、世界の終わりがひたひたと近づいて来ることを恐れつつ、人々の喜びのためだけに音楽を創る、本来の純粋な作曲家になることを夢見ていたが……。芸術家の業を描く、耽美な味わいのファンタジー作品。
涅槃詩集『ニルヴァーナ』のあらすじ 空花凪紗 涅槃詩集『ニルヴァーナ』は、愛と死、孤独と救済をめぐる魂の旅路を描く詩と物語の結晶である。第一部では「あの日の僕へ送る詩」として、失われた自己と神への祈りが散文詩と歌に刻まれる。第二部では「名もなき詩」と「僕は恨まない」の連作を通し、愛や死を前にしても恨みを抱かぬ意志を歌い上げる。第三部「フィニスの晴れた日曜日」では天地創造を模した七日間の詩小説が展開し、終末と再生の恋が語られる。第四部「最愛の君へ」では記憶の裏側に刻まれた愛の真実が浮かび上がる。全編を通じて、世界の創造と終焉、そして「僕」と「君」を結ぶ永遠の愛の詩が奏でられる。涅槃に根差した心根を抱いて、少年と少女は永遠の愛を紡いでいく。涅槃の先にあるもの、ないものを求めて、この散文詩は比翼する。