『誘毒のPiqué』

紛れもなくこれは罠
知りながら踏み出すトゥシューズ


『誘毒のPiqué』


内緒よと唇にあてた人差し指
でもこんなにも甘い秘密はいつか
きっと誰かに嗅ぎつけられるわ
例えば貴方みたいな悪い大人に

上手に踊れればそれで良かった世界は
いつしか形を変えてしまうから
そうなった時の為に胸の奥を燃やす
誰かを恋するという炎を燃やし続ける

誰かに見つかるまでは静かに
見つかってしまった後は激しく
アタシ達を守ってた繭は
もう壊されてしまったのだから

手を差し出してアタシを誘って
優雅に動く脚を見ていてね
貴方の為になら踊り続けるわ
レースのカーテンが揺れるベッドでも

だからまだ誰にも言わないで
子供は人のものを欲しがるの
今はアタシだけの人でいて欲しい
アタシはこの先貴方だけなんだから

爪先にキスするその顔が
欲望に歪むのを見る為だけに
小さな胸に隠した命を燃やす
燃え尽きた時の哀れみには涙一粒



「一粒の哀れみはアタシだけのダイヤモンド」

『誘毒のPiqué』

『誘毒のPiqué』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-09

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