『嘘のひとつを胸に飾る』

真珠のネックレスは
貴方の欺瞞の証


『嘘のひとつを胸に飾る』


何気なさを装って渡された
それを今朝も選び取る
貴方に会う日も会わない日も
幸せを演じる為には必要だから

許せないことなんてアタシにはない
だって何をされても心は傷つかない
笑顔のまま貴方を愛してる顔をするわ
それで全部が大丈夫のままでしょ

二人の望みはこんな形でしか
叶える道がないことを今更
嘆くつもりなんてないんだから
貴方も何も気にしなくていいのよ

全く別の生きた方をしたいのに
同じ道を歩く必要があるなら
アタシはそれを叶える為だけに
生きてゆけると信じてる

愛さないことは難しくないわ
寧ろその方がどれだけ楽か
身も心も真っ白なまま
アタシは貴方と対等でい続ける

俯いたりしないで顔を上げて
幸せな女はいつでも凛としているから
甘く見られるアタシみたいなのは
小生意気なくらいで丁度いい

利害の一致という乾いた響きも
朗らかに微笑み合えば掻き消えるわ
貴方が誰かを心に入れても
アタシには遠い景色みたいなもの



「いつか貴方に真珠のネクタイピンを贈るわ」

『嘘のひとつを胸に飾る』

『嘘のひとつを胸に飾る』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-09

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