〈一つの国のようだ〉と三芳係長はつぶやいた。 そこでは女性たちが集い、一定の規律のもとで一昼夜を過ごす。来訪者は、丁重なもてなしを受けながら、言葉にできない違和感を覚える。 必要なものは満たされ、争いは表に現れない。 だが、その安定は、ある欠落を抱えたまま保たれていた。 女の都は、理想の拠点なのか、それとも閉じた仕組みなのか。 訪問者の視線が、その呼び名の奥にある実態を映し出す。
その村には笑い茸小唄という唄が伝えられている。その唄を知っているのは梅ばあさんだけだ。いったいその茸はどんな茸なんだろう、
庭の紫陽花の下で小さな赤いものがはねている。老眼鏡をかけてみると茸だった。黒アリに囲まれた赤い茸に、仲間の茸が紫陽花の根元から現れアリとの戦になった。
友人の古生物学者は動物、植物、菌類その三つの性質を兼ね備えた生き物がいることを信じ、探していた。そしてとうとうそういう生き物に遭遇した。