ふと思いつき、壁に掛けてある額に入れた二人の新婚旅行の写真を、目近で見ようとして、立ち上がった時、突然、異変に気付いた。 羽がなく脚は棘だらけの、体長九センチ以上もある真っ黒なゴキブリが、家中に這い回っていた。壁、畳、天井、……などが隠れてしまう程の無数のゴキブリが、家を占拠しており、私に向かってゾロゾロ集まって来た。外に逃げようとしたが、足から鋭い痛みがはしった。その後も何とかしてゴキブリどもから逃れようとしたが、奴らに徐々に食べられとうとう頭まで来た……。 最後の瞬間、遥か遠くに閃光が私の脳を貫いたようÑØæ●▼。 例の玉手箱の中で手鏡が暴れ回り、低くてかすれた合成された音のような怨念に満ちた声(?)を出した。 【人を呪わば穴二つじゃ、イッヒヒヒヒー……】 だが、手鏡が発した無機質な言葉(?)は、雑音に紛れ周囲に小さく響いただけだった……。
私は、国立K大経済学部に現役でパスしたので京都に下宿し、そこで、奇妙でおぞましい体験をしたのだ。下宿した古い民家で目撃した、信じられないような奇怪な話だ。氷の池に落ちてしまったような冷たい悪寒が、背筋を走る恐怖に満ち満ちた「怪異」そのものと言えるだろう。 まだ高校生気分が抜け切れない時に遭遇した、ショッキングで忌(い)まわしく、寒気を感じさせる心臓も凍てつくような出来事だ。どんなに豪胆な人でも、味わった刹那、意識が凍りつく恐怖談だ。
勉が校門を出た所で待っていたのは、髪を吹きすさぶ風に任せている深刻な顔をした司書の吉田さんだった。髪の毛が乱れているのを、全く気にする様子はなかった。一種異様な姿をしていた。 更に、眉間に幾筋も深いシワを寄せているのだ。普段の吉田さんとは、別人のような暗い雰囲気を周囲に漂わせていた。 蔦≪つた≫が我が物顔で伸びて壁全体を覆っている、喫茶店へと勉を誘った。そこは、とても陰気で小さな喫茶店だった。何か重大な話があるような、深刻な顔をした吉田さん。そんな吉田さんの顔を勉が見たのは、この時が初めてであった。 この後、彼が経験するおぞましくも恐怖に満ちた体験とは?
なぜ、全く同じ時刻、全く同じ内容のデジャブを体験するのかは、彼には大いなる謎でもあった。地球から百四十七億光年離れているビッグバン時の宇宙の果ては、どうなっているだろう? いくら思考しても、現代の宇宙物理学、宇宙工学等を駆使して専門家が、絶えず研究に励んでいるにもかかわらず,詰る所、循環論に帰結している。 そのように何ら解析ができないように、彼を悩ませるデジャブの真相を探っても、やはり循環論に陥るだけだろう。 しかも、最近、 「ある事をしなければならない」 という強迫観念に苛まれているのだ。深刻な鬱状態に陥ったのかもしれない。 沖縄の青い空、澄んだエメラルドグリーンの海、清々しい潮騒に囲まれれば、きっと、変なデジャブも見なくて済むだろう、と彼は踏んだ。 しかし、そんな甘い考えは、脆くも崩れ去ったのだ。
私の母らしき女性が、 「この子の魂と引き換えに、わたしの人生は薔薇色に輝くのね」 と、四度も繰り返し、死に神に念を押すかのように、独り言をつぶやいた。 ここで、映像と音は消えたばかりか、ミニノートパソコン自体も、跡形すらなく雲散霧消して、私を慌てさせた。もっと、続きを見たかったからである。しばらく、胸の動悸は治まらなかったが、沈着冷静な自分を取り戻して考えると、もしも、液晶画面が真実を映しているなら、ここにいる私は、存在していないか、あるいは、偽の自分なのだろうか? つまり、二歳の時から、はかない夢の世界を――本当の世界と思って、暮らしてきただけに過ぎないのだろうか? 異次元にいた女王が、どんなに言おうとも、揺るがない私の歴史観に従えば、過去のある時点で消滅した事象は、永久に復元出来ない。何か異変が起きそうな気配が、私の全身を包んだ。
私も、未だに成仏出来ず、葬儀の仕事をすれば、少しでも前世, 前前世に犯した何の関わりもない十九人を殺してしまった罪滅ぼしに一役買うだろうと、密かに思っていますが、くれぐれも口外しないように……。 ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ、ケ。 すみません、つい本当の話をあなた様にしてしまった。 実は、私も、浮幽霊の仲間で、今夜あたり、あなた様の御傍に行くことに決めました。 その時は、どうぞお構いなく、ぐっすり眠って頂いて結構ですよ。 眠ることが出来れば、ですが……。
閻魔大王と勉との話し合いで、地獄の近代化を推し進めていく。その過程で、勉は様々な提案をし実行していく。
競馬は過去のレースの再現を繰り返しているに過ぎない。競馬の真実を明らかにしつつ、その観点から予想する三人の物語。 2015年阪神ジュベナイルフィリーズ〜2016年有馬記念までの数戦を回顧する。
僕は両親と折り合いが悪く高校を卒業してから直ぐ就職し、隣町のこの部屋に住み始めた。 それから半年が過ぎた頃から、何が楽しいのか二つ下の従兄弟の愛佳が学校帰りに寄るようになり、いつの間にかもう一人分の食器が違和感なく増えていた…。※続きは本文へ。
突然ケータイにメールが届いた。知らないメールアドレスからだった。 『やぁ、神崎君。元気にしてるかい? もう、恋い抱くクラスメイトの大島由実には告白しただろうか? 何で知ってるかは後々気づくだろう。それより明日の放課後、君の大好きな大島由実は図書館前の横断歩道で車に轢かれて死んでしまう…』 助ける方法は…。※続きは本文へ。
三つの話に関連する少女『カヤノ』…。 顔を横に向けると短めのチェック柄のスカートからスラリと伸びた細い脚が目に飛び込んで来た。ドキッとして起き上がると黒髪で長めのポニーテールの少女が赤いフレームのメガネ越しにこちらを見ていた。同じクラスのカヤノだ…。※続きは本文へ。
10月24日。各都道府県で同日、約同時刻、児童が行方不明に合うという事件が発生し、13人もの児童が神隠しに合った。予備校の帰りに居なくなるという手口が酷似していた事もあり警察は同一犯であり、組織的犯行だと判断したが行方不明になった児童達の年齢もバラバラで共通点が見つからず無差別的拉致誘拐と決めつけた…。※続きは本文へ。
中学三年の頃、私には大好きな人がいた。 いつも側にいたから好きと伝える事さえ出来なかったけど、それでも良かった。 同じ高校に行こうと約束していたし、まだ時間はあると思っていた。 そんなある日…。※続きは本文へ。
入学式当日。去年同様写真部の僕は入学式の記録にかり出されていた。体育館上のギャラリーにいる僕は一眼レフカメラを構えながら入場して来る初々しい女生徒を眺めていると急に、片耳に付けているイヤホンから顧問のダミ声がノイズ雑じりに聞こえてきた…。※続きは本文へ。