最後に交わした言葉はインターホン越しの3分間だった 幼馴染の二人 中学の卒業式で、恋人になった。 高校での付き合いを終えて、大学生活がスタートした。 地方から都会に引っ越して、隣に住む二人。 紅茶が冷めない距離に居る二人の、最後の3分間は突然やってきた。
僕と君はルールで繋がっている。 僕が長い長い旅路の先に、君にたどり着く時に、君はルールを破った僕を怒るだろうか? 高校一年生からはず待った二人だけの決めごと。 沢山のルールを決めて、二人だけの世界を築き上げていく。 二人は二人のルールで、二人だけの世界を作った。 二人だけにしかわからないルールかも知れない。でも、二人には、ルールが全てだった
料理ができない男女。もっぱら食事のスパイスは隣からの匂いだった。 隣からの料理の匂いが気になってしまう。 古いアパートでの日常。 仕事から帰って来て、自分は疲れて、弁当やカップ麺を食べているのに、隣からは毎日いい匂いがしてくる。 これが拷問じゃなくて、何を拷問というのだろうか? 料理ができない二人は、お互いの事を勘違いしている事を知らない。
俺は父と母と血がつながっていない。その事を知らない事になっている。 俺は明日、父と母と一緒に住んでいた家から出る。 この家では、長男となっているが、俺は二番目に愛情を注がれるべき対象なのかもしれない。 もしかしたら、愛情を受けることもおかしいのかも知れない。 俺は、本当の両親の事を知らない。 知りたいとも思ったことはない。 たとえ、弟が産まれて、二番目の愛情だったとしても、俺は両親から愛情を感じているからだ。 家から出る前日に父から話があると言われた。
最後の時を迎える少女。最後に、少女は何を望むのだろうか? 終末医療を行う病院。 彼の使者として、フクロウが彼女のところに来る。 毎夜繰り返させる出来事は、痛み止めにうなされた彼女の夢なのか、それとも、フクロウが見せている幻惑なのか? 彼女は最後に向けて、日々を戦っている。
誰でも子供の時に、雨の中で遊んだ記憶があるだろう。 僕の、雨の中での記憶は、彼女と密接に結びついてしまっている。 僕は、雨の中で、彼女を見た。 僕は、彼女に一目ぼれしてしまったのだ。 それがどんな結末になるのか・・・考えもしないで・・・。 だから、僕は雨が嫌いだ。
彼女との距離50cm。この距離がもどかしい 僕は、20歳になる大学生だ。 バイトに明け暮れていた。そのバイト先に、彼女が来た。 最初みた時から、心を奪われていたのだろうか? いつから、僕は、彼女のことを目で追っていたのだろう。 この気持ちは隠さなければならない、僕だけの秘密なのだ。 淡い恋心。そんな言葉で表す事が出来るのは過ぎ去った恋だけ、現在進行形の恋心には、昨日よりも今日、今日よりも明日。そして、近くて遠い人への恋慕が溜まっていく。
僕のすべてだった・・・それを奪った奴らを許すことなぞできるわけがない。 僕は、あいつらを見つけ出して復讐すると誓った。 でも、僕には力がない。 僕を・・・違うな、僕のすべてだった・・・彼女を大切にしてくれた人がいる。 僕は願った。僕のすべてを・・・。 僕は、今日彼女の所に行く、最後にあの人に会えたら良かったのだけど、叶わないのだろう・・・。 でも、いい・・・あの人が幸せそうにしているのを何度か見かけた。僕は、それだけで満足だ。 あいつらも・・・。
お互いの印が消える日。それは、お互いが認めてしまった日でもある・・・。 俺は、消防士をしている。 よくある話だが、この職業をしていると、”バカ”に遭遇する事が多い。 今日も、高校生の”ガキ”が、公園で花火をしていると連絡が入った。”警察に言えよ”とも思うが、公園の遊具が燃えていると言われたら、緊急出動しなければならない。
仕事熱心な人が死んでしまったら、会社はそのパソコンをどうするのでしょうか? パソコンの中には大事な資料が残されています。途中だった仕事があるかもしれません。 夜中に起動するパソコンが近くにありませんか?
僕の住んでいる町では不思議な儀式が残されている。 古くから伝わる儀式には、いろいろな噂がある。 大人たちは、今年は何かが違ったという。あとからならいくらでも言えることだ。 今日、僕はその儀式を受ける子供の一人だ。 何のことはない。海に飛び込んで、船の下を潜ってまた船に上るだけの事だ。 本当に・・・・それだけのはずだった。
僕の隣には、君がいる。君だけいれば僕は何もいらなかった。 僕は、僕の不注意で君をなくしてしまう。でも、僕には見える。君につながった手が・・・。 不思議な絆で結ばれた男女。 お互いがいれば、他には何もいらないと思っていた。 それが間違いであったことに気がつくことがない。