糖衣錠

短歌集「糖衣錠」

糖衣錠

長雨の視線交わり胸押さえ「今、見ていたでしょ」君が隣に



花畑手と手を取ってダンスする唇寄せて頬に花咲く



五月雨の乱れる夜に満たされる抱き寄せられて求めらむなら



君が今、知らない女の肩抱いて背をかがめてる首筋の嘘



ただ愛が欲しいと開く身体だけ彼は求めているのでしょうか



霧の朝小鳥たちが合い鳴き(愛無き)と私の姿嗤うように



気付くとは傷付くことだ恋なんて欲を丸めた糖衣錠だ



かさぶたにならぬ傷に爪を立て痒みと痛みに雫が落ちる



「さよなら」のたった一言それだけが言えずに今日も性を差し出す



純白のドレスを夢見て恋すれどあなたの隣じゃなくてよかった

糖衣錠

糖衣錠

気付くとは傷付くことだ恋なんて欲を丸めた糖衣錠だ

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-05-31

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