懐刀が勝手に宙に舞い、魚を三枚におろす。女刀鍛冶の怨念は?
死んだはずの姫の遺体は棺の中になかった。中にはたくさんの茸が
茸が侍に復讐し、侍が茸に復讐する。
富山に薬をたのみに行く侍が、旅の途中で腹痛をおこす。
カダクラヤの迷宮寺院で死んだと思われたムラタは生きていた! 更に不死の男となっていたのだった……
季節のうつろいは人の心のうつろいと同じようなもの。そう感じるのは私だけだろうか。
二人の愛の秘訣。それは毒薬だった。
ふりかえれば予兆のようなものは確かにあった。だれもその結果を予想していたとは思えないが。
珊瑚の海に浮かぶ島嶼群から成る藩王国・伊玖那見。闇と死を司る太母神を信仰し、呪術が支配するこの国では、世継ぎである稚神女が空位のままだった。第二王女の燦は候補のひとりだが、彼女には異父妹の香彌こそが世継ぎになるという確信があった。香彌の治世で力を尽くすことを待ち望む燦。しかし運命の波濤は、思わぬ未来へと少女を押し流していく――古代アジア風・架空王朝ファンタジー。