円満と言えない家庭で四苦八苦する父親は、かつてモテていた時をよく思い出しては自分を慰めていた。 別の人を選んでいれば、幸せな人生があったのかもと、後悔に生きているなか、小汚い老人と出会う。 その老人から渡された、胡散臭いおもちゃは、特別な力を秘めていた。
陸上自衛隊一等陸尉である柊竜二の妻 涼子は夏の陽の下で麻薬に汚染された暴力団準構成員の凶刃の犠牲になった。特殊作戦群を自らの意思で辞めた柊の怒りは組員の所属する組織に向けられ、尼崎に巣食う組織を壊滅へと導いた。おりしも戦後金権腐敗体質に嫌気のさした、時の総理渡辺誠一郎は首席秘書官内村と密かに対策を練っていた。 《法が機能せず、正義が実現されない時私なりに創ろうとしている組織が法を執行する権利を・・・・》それはこの一言から始まった。 第三師団の木暮幕僚長と渡辺総理との出会いは、内村を通じて密かに実現され、国民の安全と財産を守るという大義の元にW機関が創設された。 “裁判所で見かける正義の女神テミスも悪と戦うために剣を持っています” 彼女の持つ天秤は傾き男が吠えた。 反社会勢力が今までに出会ったことのない敵として、立ちふさがるW機関との間に死力を尽くした戦いが始まった。
当時小学4年生だった僕は、高校生の姉のスカートが洗濯に出されているのを見て、妙な気持ちが芽生えてしまった…
音楽スクールでヴォイストレーナーをしている木村 啓介は、歯科助手で働いている恋人のリナと和音占い師のSayokoのピアノ弾き語りライブに表参道に連れられて行く。 土砂降りの雨の中、気乗りしない啓介だったが、Sayokoと黒子のライブの巧みな演奏や彼女の歌に魅せられてしまう。更に全席禁煙、私語、スタンディング禁止、アンコール無しの たった60分のステージ。 異例なライブスタイルやライブコンセプト、パフォーマンスに啓介は度肝を抜かれる。 実際のライブの模様やヴォイストレーナー啓介のSayokoへの心境の変化は曲が進むにより絶妙に変わってゆく
きりもりシリーズ4作目。「めくるめくきりもり」の派生作品、きりえともりのの馴れ初めの別バージョンです。タカライシ歌劇団ダイヤ組の男役トップスターに就任したきりえが、男役スターのもりのと正式に付き合うまでの数ヵ月間を、きりえの視点で丁寧に描きました。じれったく、かわいいお話になりました。全5話完結済。※女同士の恋愛を描いてます。※この作品は架空の物語です。実在の人物、団体とは一切関係ありません。モデルを特定し、現実と混同しないようお願いします。
年が変わり、柊は浅井組壊滅の際、非行が暴露された大室議員を、総理秘書官・内村正の協力の元、東京の祐天寺に拠点を移し密かに探索を開始した。 その様な中、総理の盟友・五陵財閥・秋月会長の孫娘が拉致されたと云う警視庁麻布警察署に架かった一本の電話が探索の方向を変えた。 その救出が最優先事項として背中にのしかかるが、拠点での活動の中で張り巡らされた情報網から、図らずも接点を見つけると柊の動きは素早かった。 民間の協力者としての西宮・和田夫妻の協力も得て、新たな麻薬の拡散阻止に東京~西宮と東奔西走の活躍が始まった。 縺れかけた探索の糸が再び縒り合され一本になり、全国の反社会勢力が嘗て遭遇したことも無い敵が立ち塞がる。 一方、毎朝新聞政治部記者上野理沙は一連の報道での社長賞にも心からの充足感は得られず、彼女の心の深奥に潜む男の存在が小さな熾火から次第に大きく育つのを受け容れつつあった・・・・
ネットを大海原に例え、遊泳禁止を二次創作に置き換え、そこで楽しそうに泳いでしまうことが、どのような末路となるのか。 魚拓を人間に置き換えた、小説までいかない、軽めのお話。 灯台の正体は。 そして、港の人々の未来は。 本来裁く立場でない人間が、人を裁こうとするのそろそろ、少し考えた方がいいと思って書きました。 これもまた、人間のやり方なのだろうと思う。 知らないこともまた罪。 知っていることもまた罪となる。 無知は、恥であるというお話です。