郵便配達員の僕は村にやってきた「魔女の様な女」と噂される彼女に一目惚れし、毎日訪れていた。 <毒のような色香>を秘める彼女は不思議な雰囲気を持っていた。
アロマ・ガラジオ・ティス・ターラサスと名づけられた五枚弁の淡紫色をした蔓花。それはとある美しい女生徒のために交配された品種の花だった。
白黒映画専属の露草宵子という名で女優をしている藤倉綺羅はプライベートでバー《月光の舞い》に来ていた。そこで一人の青年、堂海 聖と出会う。堂海も綺羅も互いに一目で惹かれあう。美しいロケ地や美術館で綴られていく彼らの片思いストーリー。