死の神と出会ってからというものの、生きる意味は良い意味で失われ始めていた。 しかし終焉のときは刻一刻と近づいてくる。僕は死の神と出会うまでは、むしろ望んでいた。
どうして産まれてきたの。どうして産まれてしまったの。そう問いかけても、きっと無意味に霧散するだけ。 人喰いの魔女は、しかしその子を忘れることはできず、町に繰り出し、人を喰う。
砂漠の世界。地面を覆っているのは黄土色の砂であり、それ以外にはなにも見えない。 風が吹けば砂は巻き起こり、砂の嵐が視界を覆う。そうなると、あとはこの世界を迷い歩くだけ。
白い子羊は黒い狼は二人で、もしくはたった一人きりで、光の届かぬ森の中にいました。 それらは全てに疎まれていました。しかしそのことは、二人にとってはどうでも良いことでした。