ある日、作家のもとに一通の通知が届く。 差出人は――自分の作品の登場人物たち。 内容はまさかの 「作家某による長年の不当執筆行為について」。 どうやら登場人物たちは、作者の扱いに耐えかねて 労働組合を結成したらしい。 モブの死亡率が高すぎる。 設定が後付けで変わる。 伏線が回収されない。 そして作者は設定を忘れる。 数々の苦情を突きつけられ、 ついには団体交渉、争議行為、ストライキの可能性まで――。 これは、作者と登場人物のあいだで起きた奇妙な労使問題の記録。 なお現在も、交渉は決裂寸前である。
雨の中を登校するカコに、フードを被った見知らぬ男が現れ、謎の言葉を投げていた。そして放課後、その男は一人で下校している音也を待ち伏せし…
教室で談笑していて偶然見付けたジンジの頭のキズ。それを見たカコは、ナオとユウコに、ある提案をしていた…
法廷が開かれていた。 被告席に座るのは、物語を書いた者だった。 証言席には、彼によって書かれた者たちが立つ。 名前ではなく役割を与えられた者。 場所と時間を定められた者。 運命を決められた者。 彼らは、自らの存在を証言する。 書かれた瞬間から、消えることなく残された記録として。 やがて宣告は下される。 しかし裁かれているのが誰なのかは、最後まで確定しない。 ここにあるのは、その審問の断片である。 そしてこれは、すべての記録の入口に過ぎない。 必要なものだけを、選んでください。
中学3年のジンジは、クラスメイトのカコから、後輩に会ってやって欲しいと頼まれた。 渋るジンジに、カコは授業のノートを写させてあげる、という条件で約束を取り付けた。 そして約束の日の時間…後輩は来たの?と問うカコに、彼女は来なかったとジンジは答えていた。
片恋詩集 [人魚の受難] [舞踏る少女と六つの薔薇] [片恋鎮魂歌] [涙より貴いものは…] [恋人よ] [海へ行きませんか] [いとけない歌] [夕暮失恋]