入学式当日。去年同様写真部の僕は入学式の記録にかり出されていた。体育館上のギャラリーにいる僕は一眼レフカメラを構えながら入場して来る初々しい女生徒を眺めていると急に、片耳に付けているイヤホンから顧問のダミ声がノイズ雑じりに聞こえてきた…。※続きは本文へ。
「ねぇ松山君、もう一つの世界って信じる?」と僕の前の席に座る、長い黒髪の安藤沙紀は後ろを振り返るなりそう話しかけてきた。「は? もう一つの世界って?」…。※続きは本文へ。
カギを差し込む前にドアノブを回すと案の定ドアが開いた。孝也はちょっと困った顔をして中に入ると同時に慣れた手つきでカギを閉めた。開けたままのカーテンから月明かりが入り込みソファーに座る早紀を柔らかな光が照らしていた…。※続きは本文へ。
嫌な事があって忘れようと思って、笑っても、泣いても、叫んでも、気がまぎれないのに何故か君の顔を見ると安心するんだ。 『恋?』そうかもしれない…。※続きは本文へ。
真っ白な空間に微かに消毒液が香る院内。「よっ」といつものように僕は声をかけ、君は「うん」とだけ返しぎこちなく笑む。いつの間にか、これが僕達の挨拶になっていた…。※続きは本文へ。
行きたかった専門学校が地元に無く、上京した僕はそのまま、その地へ居着いた。上京してから一度も地元に帰る事はなかった。いつも通り仕事から帰って来ると、郵便物を持ちアパートのドアを開けた。郵便物をチェックしていると、懐かしい字体が飛び込んで来た。高校時代付き合う事は無かったが、ただいつも側にいた彼女からの手紙だ。はやる気持ちを押さえつつ、封を切った…。※続きは本文へ。
小学生以来会っていなかった由佳が、高校二年生の春に転校してきた。何かがあったように思えるが、くらげの私は気にならない。けれど由佳は、そうではないようだ。
青空が夕焼けに覆われた真冬の夕方、部屋のチャイムが鳴った。チャイムを鳴らした人物に心当たりがあった僕は覗き穴を見ずそのままドアを開けた…。※続きは本文へ。
小学校以来の仲良し三人組がフラガール三人組に恋をした。馴れ初めと合コンでの恋の進展具合を少々ユーモアを交えて物語とした。
失恋した男が梅雨空の古刹、陰花寺懸想黄泉路第二六番札所で出会った一人の武闘派少女。敵か味方か?そもそも何の戦いなのか? そんな疑問は置き去りのまま、男は少女の戦いに巻き込まれ、怪しげな快感さえ感じるのであった。巻末にアウトかもしれない付録を収める。
Twitterでハッシュタグを付けてつぶやいて参加する“企画モノ”短歌。随時更新予定。 下の句ください/付け句まつり/8x4短歌/短歌onICE/ネコ短歌コンテスト
無邪気でいられた頃、水たまりを飛び越えるのさえ冒険の一つだった、大人になった私は、恐れを知り、飛び越せない小さな水たまりに思い悩む。今欲しいのは一握りに勇気と、あなたの優しさ。
2016年から2017年にかけて詠んだ短歌です。 Twitter @nanako_tanka #ななこ575