〈あらすじ〉 ゲームセンターのワニ叩きゲームからワニが一匹いなくなった。叩かれることに嫌気がさしたワニと、ワニを叩くことを生き甲斐にしていた無職の男。ワニはいったいどこへ行ったのか。無職の男は生き甲斐を取り戻せるのか。ラストはちょっと奇妙でどこか温かい、西川真周の小説処女作。
〈あらすじ〉 休日はいつもエルヴィス・サンドから始まる。それから行きつけの家具屋で日が暮れるまで本を読む。それが主人公の青年のささやかな習慣だ。 ある日、「ここでヘミングウェイを読まないで下さい」という奇妙な忠告を受ける。とても美しい女性店員だった。やがて青年は彼女に特別な感情を抱くようになる。しかし彼女は何の前触れもなく家具屋から姿を消した。彼女はいったいどこへ行ったのか。そして奇妙な忠告の本当の意味とは…。
〈あらすじ〉 仕事も恋人も、おまけにお気に入りの自転車までをも失ってしまった青年。ある日、植込みに自転車が突っ込まれているのを見かけ、その日を境に見慣れたはずの世界が歪んでゆく。“突発性自転車放置症”とはいったい何なのか…。
〈あらすじ〉 オランウータンがテレパシーで話しかけてきた。それも饒舌な関西弁で。パンダ、空気銃、恋人、人生について。主人公の青年と関西弁オランウータン“フトシ”との奇妙な交流を描いた「第一回小さな今井大賞」最終候補作品。
〈あらすじ〉 新聞の求人広告で見つけた奇妙な仕事“猫撫屋”。 ひとりで大きな屋敷に住む謎の中年韓国人“金さん”には十八匹の猫がいた。大量の猫の世話を引き受けた主人公の青年。猫たちが一斉に喉を鳴らした時、ある異変が起こる。そこには金さんと猫たちの知られざる秘密があった…。
〈あらすじ〉 よその家のご飯、エアガンとBB弾、秘密基地、カエルの死体、そろばん塾、フィリックスの十円ガム、どぶ川のワームホール、動物園の象。 少年たちの小さな冒険を描いた半自伝的西川真周版スタンド・バイ・ミー。
〈あらすじ〉 親友の西川が線路に飛び込んでぐちゃぐちゃになった。それを宮下は近所のうどん屋のテレビで知った。自殺の理由はわからない。宮下、西川の彼女、宮下の知らない遠い街の未亡人、そしてぐちゃぐちゃになった西川。謎の死がまわりの人間たちに奇妙な関わりを生じさせてゆく…。