基本的に掌編、短編小説を投稿しています。
電車や喫茶店の中、寝る前などにさらっと読めるような短編、または掌編小説を書いています。
基本的に青春小説的なモノを書いていて、多数ではなく少数の誰かに気に入ってもらえるような小説を書いていきたいです。
Sometime Dropという一次創作限定のサークルの書き手でもあり、コミティア等のイベントにも参加していく予定です。
同じ物書きさんと繋がりたいのでTwitterをフォローしてもらえると嬉しいです。
夏の夜に出会った少女は大人を探し、男は大人になるためにはどうすればいいのかを考える。 雪が降り積もる季節も二つ過ぎても、彼は大人になれず、子供のままでタバコを喫う。
わたしは遠くまで見渡せる景色の中を進まされている時間が好きでした。遠くに山が観え、その手前に小さく町が広がっているのが観えました。山は自身のどっしりとした存在感を体現した様にそこに居座っていて、何本も電柱が窓際に音もなくひゅっと通り過ぎて行くのに対し、山だけは時間が重たく感じる程ゆっくりと通り過ぎて行くのでした。
正義の居ない町で三歩音春之は人を殺す。測定器として役割を与えられたシランは彼女に同行し、今日も夜な夜な殺人を観察する。三歩音春之の目的は「この町にいる殺し屋を全員殺す」こと。
アスファルトも歪むような真夏日、コンビニの前で一人、チラシのようなものを持っている男の子が居た。 平凡に人間の格好をさせたらああなるんだろうな、というような、特筆すべき特徴なんて当然のようになく、注視していないと背景と混ざりこんでしまうような存在感だった。
雨は遠分止む気配はなくて、今日もホテルで一日を過ごす、日常の延長線のはずだったけれど、二人の殺し屋はそんな日常を守ってはくれなかった。
玄関に兎が立っていた。 二本の脚で立っている。 靴も履かず、背後にあるドアに施されたすりガラスから透きとおった夕日に静かにあてられている。 全身に白くふさふさとした毛をまとい、真っ赤なベストを着て、三つの大きな金色のボタンを前でとめている。首からは鈍く金色に光る、円盤のようなものをつり下げている。
女子高生爪剥ぎ事件。 約一ヶ月前の事だった。あるひとりの女生徒が夜、暗く人通りの少ない帰り道を歩いている途中。後ろから金槌か何かで、後頭部を殴られて気絶させられた。右手に走る激痛に目を覚ますと、辺りには誰もおらず、右手の親指の爪が剥がされていたそうだ。