忘我の日、否、この言葉ではない。我(アートマン)を忘れ、宇宙(ブラフマン)と一つになった日を言い表すべき言葉は他にある。終末日、世界創造前夜、涅槃。これではない。そうだな。ニブルヘイムへと遊泳する天上楽園の乙女らのように柔らかく、輪転する火がすべて搔き消えるが如く静かで、凪いだ渚に時流の断絶が映るように虚しく幸せだったその日に抱いたクオリアを伝えることのできる言の葉など、記号などもはやない。だが、我らの永遠神話を語ることはできよう。 これは終末と永遠の物語。
既存の宗教を全て一緒にしたような、哲学も道徳も全て合わせて、アウフヘーベンさせれば良いでは無いか!
久遠の昔、火が虚空に灯って生まれた僕たちは秘められし人生の美妙な謎、神のレゾンデートルを探す旅に出た。今さら帰らない!
∴Dシリーズ外伝∴ 常に周囲に気を配り、常識的な令嬢として日々を過ごす玖堂華奈。ある日華奈は、片想い相手のミカミ君から呼び出され……。D2前奏でSFみのあるどたばたファンタジーです。単独で読めます。D2はD1より千年以上後で舞台は地球で始まり、本作の時系列はD2前日譚です。
時は2025年。後に厄災と呼ばれる規模で発生した首都直下型地震によって、家族を失ってしまった『ぼく』は、震災時のショックで『生の実感』を喪失してしまう。 震災から10年後、遺族として【トーキョー】を訪れていた彼は、ひょんなことから自身が被災した【ヨヨギ駅】の地下に降りていく。 ホームに佇むのは、真っ白な着物をまとった女性。そして瓦礫の山をすり抜けてくる電車――。 やがて『ぼく』は、忘れていた過去の出来事に次々と出会うことになる。 導き手たる着物女性と共に『ぼく』がたどり着く『終着点』とは――。
規格外の魔法を使う『シュナイデン』に追い詰められたフィリウス。覚悟を決めるその時に現れたのは―― 一方、フィリウスによって次々とメンバーを倒されてしまっている『右腕』は昔の事を思い出していた。
あらゆる常識を無視する正宗との戦闘を続けるフィリウスとエリン。 魔眼を解放して全力となった正宗の強さを前に、二人はある賭けに出て―― 同じ頃、そんな十二騎士とS級犯罪者の激闘を眺める者がいて――
地上が多重に重なって、五感は神域にたどり着く。ああ、この幸福だ。流れる涙は嬉しいから。全ての罪を背負うとも。永久の眠りに就こうとも。わたしは後悔だけはしないのだろう。微笑む彼の頬を涙が伝う。待ってて。わたしも今そこに行くから。
∴DシリーズD1前日譚∴ 力無き人間と数少ない化け物が怖れ合いつつ、化け物の中でも光と闇の者の間で溝ができた時代の「宝界」。騎士の修行中のライムと妖精リンティは、隠れ住む山奥で二人の家出少年に出会い、そのため忍の刺客に狙われてしまう。 Cry/シリーズC零より千年以上後で単独で読めます。 image song:最後の女神 by中島みゆき