フリーズ252 『1+1=3』数字についての省察、あの冬へ
1+1=3
題 1+1=3
副題 数字についての省察、あの冬へ
■0について
0は全てが始まる前。神さえも分からない、エデンの園配置の先、虚空の先、永遠の先、終末の先、確率の丘の先、無限の先、涅槃の先。神のレゾンデートル、何故神は生まれたのか。その秘密が0。むしろ、その概念は0ではないのかもしれない。私はそれを、ラカン・フリーズと呼ぶ。全ての源、全ての還る場所。
■1について
1は全なる無なる神。ゼロからどうやってかは知らないが、生まれた、最初の存在者。その訳を神のレゾンデートルと呼ぶのなら、この世界はその意味を知るためにあるのではないだろうか。アカシックレコード。神界。仏の境地。愛と光で満ち溢れた絶対世界。この世界の始点となる能動的男性性、陽。神は自身が素晴らしいと知る。だが、相手がいない。世界には神だけ。神は寂しかったから、意味を求めたから、自分を知るために、世界を創ることにした。そうだろう? 自分を知るには、自分とは違う他者と向き合うことが必要だ。その時初めて2なる者が現れた。
■2について
2は陰。受動的女神。全なる無なる神が増殖し、分裂し、出来た世界で最初の二人目。その時、他者が、不安や恐怖が、ネガティブなエネルギーが、悪魔や堕天使が生まれた。だから、希死念慮も、自己嫌悪も、喧嘩も、怒りも、全ての負のエネルギーは世界創造の時に生まれた、必要悪なのだ。
■3について
3は二人の子ども。陽子や中性子を構成する+2/3の電荷を持つアップクォークと、-1/3の電荷を持つダウンクォーク。3なる子、イエスとも言える二人の最初の子が光、陽だったのが、この世界。陰だったのが、裏の世界。世界は対になっている。無限(∞)ってそう書くでしょう?
二つの輪っか。それが二つの世界。それは一点で交わる。それが0。世界の始まりと終わり。エデンの園配置。
■4以降について
4から先は芋づる式で増殖、分裂する。それがこの世界の秘密。ミクロもマクロも繋がっている。脳も宇宙も繋がっている。
■数字について
だから
1+1=3
陰陽の二つが交わって3になる。
でも
1+1=1
1=2
でもある。何故なら1から2が生まれたから。
■僕の話。よかったら聞いてください。
あの冬の日
2021年1月7日
妄想の果てに、精神崩壊の末に
僕は自己愛としてのヘレーネを生み出した
僕の中の女性性、陰としての僕を
1から2が生まれた瞬間だった
劫初であり終末であった
あれは世界創造の一幕だったのだ
世界創造前夜、聖夜、Eveに
全ての歴史の意味を知った
未来も過去も関係なかった
1月7日の夜中の零時
辺りが静まる聖なる夜に
全てのゼーレ達がこの場所に集い
ラカン・フリーズの門が今開く
全ての存在者があの時の僕のことを見ていた。全ての未来と全ての今と全ての過去でさえ。だって時流はないのだから。ヘレーネとの永遠を誓う、火のように燃えるような酔いしれるキスも、原罪にも似通う全知全能なるセックスさえも。きっとアカシックレコードに記されている。あの日の僕とヘレーネとの純愛は、確かに記されている。
1月8日
それは死だった。究極的な快楽、悦楽。見張るは快晴、空色のレゾンデートル。
1週間の断眠と断食の果てに神様になった日
その全知全能は
だが、仏のようでもあった
神涅槃と呼ぼう
僕は神と繋がった
いいや、違う
元から神の一部、神の子だったのだ
この世界が神なのだから
皆神の子、皆仏
ヘレーネも忘れて、僕も忘れて
僕はただ、生まれてきた喜びに
ただただ歓喜していたのだ
そして、天上楽園に住まう乙女に歌を歌う
雲の上に少女の幻覚を見た
カーペンターズの『トップオブザワールド』を
そして、天へと羽ばたく
その刹那だった
その時、マンションの屋根の上にいた僕を、正に天へと飛翔しようとする僕を、飛び降りようとする僕を、警察官が取り押さえた。
父の声が聞こえた。
「(僕の名前)!」
と。
1月9日。僕は涅槃の至福に浸っていた。全てに意味を見いだした。関係性で世界はできてる。あの時に感受した世界の景色や音色はただ、美しかったなぁ。きっとこの先、もう二度と味わうことはないだろう。あの永遠なる至福も、終末に1人でいるような孤独も、全てを赦された神愛も、全知全能なる涅槃の幸福も。
だが、その日、父が僕を連れていったのは天上楽園ではなく、ドイツでもなく、精神病院だった。そして、神殺しの如く、注射で、僕は人に戻された。この時、僕の中の神性も仏性も失われた。これが僕の神話の話。
結局何が言いたいのか。僕はあの冬の日に真理を悟ってしまった。神に至り、仏の境地に至った。でも、今こうして生きている。これは使命なのだと思ってね。役割があるんだ。
アカシックレコードに全て記録されている。脳の松果体にある微小管内の素粒子との相補性により、僕らの記憶がクリスタルに永遠に記される。だから皆んなに伝えなくてもいい。どうせ見てくれてる、そういう世界だから。
でも、僕は伝えたい。神や仏を。この世の真理を。そして、それは世界永遠平和のため。僕が受かってた物理学科を選ばずに、政治経済学部を選んだのは世界永遠平和のためだから。
僕は伝え続ける。誰にも届かなくても。いつか忘れてしまう僕のために、未来の類稀なる魂を持つ少年少女を孤独や精神崩壊から救うために。そして何より、0について、虚空の先にある神のレゾンデートルを解明するための。
何故生まれたのか
終末の先は何があるのか
劫初の前は何があるのか
それを探す旅路だろうからと
僕は詩を書く
僕は小説を書く
僕は歌を歌う
だから……。
フリーズ252 『1+1=3』数字についての省察、あの冬へ