カラスなんてものに同情する人間はいない。 ゴミ袋をつつき漁る、迷惑な生き物の死に同情する人間なんて一人もいない。 この話の主人公である女子高生も、そうでした。 ですがある日、偶然カラスの死に際に立ち会ってしまったことで、彼女は自分の中にあったカラスというものに対して稀な感情を生み出してしまいます。 そしてその感情と葛藤しながら、彼女は一つの答えを見つけ出しました。
9月1日、始業式を終えたアイちゃんとその親友タカコちゃんは、家路に向かう最中タカコちゃんから出された一つの質問をきっかけに、アイちゃんが今まで見てきた現実がボロボロと崩れていく。 何かがおかしい。おかしいのは、タカコちゃん?それとも、自分? いつもの通学路、いつもの親友、いつもの私。その"いつもの"は一体いつの"いつもの"なんだろう?浮かぶ疑問、違和感……そして、ついにアイちゃんはおかしなものの正体に気づいてしまう。