只我の詞を吐く感覚の儘に聞き、コトバの存在は豊富に亘り表れ託される。 捻り捩じった羅列・流れの一音、詞ごとに読み取る世界。それを私は詞梳記と称す
全ては思い込み 視界の國 死海の園は死体の山 でも慕いの卒塔婆が花の束で 想いの衣で纏った白装束は 屹度 斎《祝い》祝言で賽の河原で唱えられる祈りの価値
怖いのを我慢して 安い布団に潜り込む 簡単に おやすみなさい と、明かりを瞑る
ねえ、そのてのこうに触れてもいい? あたたかくして。
夕闇に解けてゆく帰り道 仲間に入りたいけれど 苦しいのでやめておこう 無理はしないよ
当然なのに納得できない狂い時計 かちこちとあちこちらそっちどっちへ
自然に還れる杜の柩に 自由を得る為に括られる。 なんて 自らを曳いて終えば こんなん 狂惜しくも啼いて薙いで終う
頂きに掲げた指向 根本を隠す思考の問い その視界に何を映し名に囚われる 死海に入れば総べて意味のないこと 解けて逝くだけ
うつろいの史記を それでも惑い往く キミの面影が少し嗄れて あぶくを吐き続けて 白く斑に輝く微笑に 強く交わした風