【翻還】
うみどりたちは
ひようひようと
翔んだ
幾度も
虚空は薄く眩み
煌めき剥がれては
身が溶けるまで
飛翔する
みちゆきが
奇説に覆われ
羽根を亡くしても
尚、
彷徨うときの木枯らし
高くし舞い続け
何度でも季節と共に
風に乗り 往こうか
綺麗なかいがらなき砂おちる
わたし みちて かける
きらきら
月夜に 蒼白い指先
霜焼け
朱に染まる モノ
逃れられない
うみの
拍動
力強く続いて
私が死んでも。
逃れるすべはなく
唯
うまれてきて
ありがとう
と ゆきたい
解いて昏れる
とき。
【翻還】