【回廊】

【回廊】

当たり前に空に入り簡単に崩れた積み木。
苦しく叫ぶ風の音に隠れる小さきモノ 玩具の舟
所詮静物に過ぎない 生を羽搏かせ足掻いても
地に葦は伝わってゆく 何処までも延びて蔽う命
陽と月の日々を 時は常に急ぎ奔る
垢は綺麗にコの身に宿り 流れる糸は明けに惹かれ
眠れ くるくると廻るカレンダー
赤丸が無くてもしあわせは微笑んでいる

遠吠えするお腹は満たされたらどこに向かうの
運命の糸をぷつりと切って 海の波に身を投げ出した
ヒトのこと暗闇
ありふれた溜息は未来に向かい 胃袋に溶け込んで
ペコペコしていた鏡を視る 今日を満杯に置いて
いつだって廊下には風が流れている
怖いのを我慢して 安い布団に潜り込む
簡単に おやすみなさい と、明かりを瞑る

愛していると伝えたところで
一体どれほどの思いが混ざり逢えるのか
喜怒哀楽で温度は感じる しあわせ
雫や雨や星の瞬きが生きていることを満たす とき
底に大地は静観している 水面
ソコから覗くのが彼方ですか
風がやんわりと私を撫で廻る 泪を零し時に流される
忘れはしない 今がいなくても
創られる余は。
記憶に

【回廊】

【回廊】

怖いのを我慢して 安い布団に潜り込む 簡単に おやすみなさい と、明かりを瞑る

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-25

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