1995年から1999年にかけて書いた、てのひら小説と詩です。お気に入りは、「新・竹取物語」と「話しかけてください」です。
古典落語の「死神」に着想を得た、「平成版死神」です。 オカマ爺さんの死神が、八っぁんに騙され、寿命のローソクを取りかえられて死んでしまう。 それを恨んで亡霊となって現れたものの、またもや八っぁんの機転でドタバタに…。 みなさんも亡霊が出たら題目を唱えましょうw
大家さんが縁の下で生まれた子猫を川に捨てちまった。親が復讐をしたのだが、放り投げられ当たり所が悪くて昇天した。 それから、大家さんは子猫の幽霊に悩まされる。
相手に伝わらなかった伝言ほど、痕が残るものでしてね。同じチョークで、同じ強さで書いてあっても、すぐ消えるものとそうでないものがあるのです。それでも、時間がきたら、全部消してしまわなければならん。申し訳無いような気持ちになりましてな、つい手を合わせてしまいます。 そして、彼は伝言の復讐を受けることになった……
白い子羊は黒い狼は二人で、もしくはたった一人きりで、光の届かぬ森の中にいました。 それらは全てに疎まれていました。しかしそのことは、二人にとってはどうでも良いことでした。
全てが完全に管理された空間で、彼女は生きていた。白い肌、白い髪と、白い翅。 やはり白い毛の生えた翅は、彼女の調子に合わせて力なく動いていた。